優れたレギュラー・バンドはレパートリーが豊富なので、どのステージでも毎回、異なるストーリーで感動を作り上げていく。さて、この日もジェリー・マリガンの静かなバラードでじっくりとスタート。続く「The Lady Is a Tramp」で心地よくスウィング。ファースト・テーマの後から、ベースに3コーラスのソロ。それを受けてピアノが3コーラスのソロを取る。オーソドックスな展開だ。続いてジョージ・シアリングの「Enchanted」で再びバラード。ジョニー・キャリシの「Israel」は12小節ブルースだが、凝った構成で前半はマイナーでスタート。アイ・コンタクトでセカンド・リフをきっちり合わせて、メジャーのブルースで進行する。、この後のピアノ・ソロ、ドラム・ソロは水を得た魚のような躍動感で楽しませる。コール・ポーターの「Where Have You Been」はミディアムのシャッフル。ベースのソロで並々ならぬ気合注入。急速調の「Liza」はピアノ・ソロから、ドラムとのバース・チェンジを経て、ドラム・ソロという構成。ここで名手ケニー・ワシントンがブラシでの至芸をたっぷりと披露。次はペースを変えてタメの聴いたバラードの「The Blue Room」。難しいテンポだが、緊張感を保ちながら、途中からルバート。サビではリズム2人が抜け、ピアノ・ソロのみで聴衆を引きつける。「While We're Young」は6/8のアフロ・リズム。ラストは『ウエストサイド物語』からの「Cool」。凝ったアレンジ、仕掛だらけの難曲で、ピアノのみで疾走。ベースとドラムが一糸乱れ図案サンプルをあわせる。ミュージカルのステージを音で見事に表現した。アンコールは「非公式のアメリカ国歌です」といって紹介した「Star Dust」をバラードで。その演奏はまさにカーマイケルの歌そのもの。20世紀前半のアメリカでは作詞家と作曲家が組んで無数の名曲を残したが、その宝を大切に守り続け、演奏することで正統派ピアノ・トリオの伝統をしっかりと継承しているようだ。さて本日がなんと最終日。次回公演が不明なので、ジャズ研の若い人、ライヴ未体験者は、学割もあるので足を運んだほうがいい。 1st set: 1.Curtains(Gerry Mulligan) 2.The Lady Is a Tramp(Rodgers-Hart) 3.Enchanted(George Shearing) 4.Israel(Johnny Carisi) 5.Where Have You Been?(Cole Porter) 6.Liza(George Gershwin) 7.The Blue Room(Rodgers-Hart) 8.While We're Young(Alec Wilder,Marty Palitz-Alfred Opfer) 9.Cool(Leonard Bernstein) Encore: 10.Star Dust(Hoagy Carmichael)
by makotogotoh
| 2014-10-09 04:11
| Bill Charlap
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