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2016.09.21 Vladmir Shafranov Trio @ Body and Soul

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今年のシャフラノフ・ジャパンツアーは16日の名古屋からスタート。17日、18日に金沢ジャズ・ストリートへの出演を終え、いざ東京へ。ちょうどこの日は、ハリー・アレン(ts)をゲストに迎えた新作『懐かしのストックホルム』の発売日。新譜のレパートリーが中心かと思ったら、アルバムとライヴは別物、というのがシャフラノフ流。事前打ち合わせで知らされていない曲を突然やったり、アレンジも毎回変えるので、共演者は冷や汗ものだ。
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この日もバッハのソルジェージュを引用した長いイントロから始まり、おなじみ「枯葉」のメロディが出ると会場から大きな拍手が。ソロではロシア民謡も引用、エンディングも「主よ人の望みの喜びよ」とバッハ風だ。2曲目はゴルソンの名曲、1曲目が長かったので今度は短めに仕上げようとしている。最初のテーマからかなり崩し、後半はガーランド調のブロック・コードで攻める展開。3曲目もクリフォード・ブラウンつながりで急速調の「Daahoud」。テイタム、フィニアス・ニューホーンを思わせるピアニスティックで鮮やかなソロ。ピアノ、ベース、ドラムとのバース・チェンジと一体感のある構成。4曲目で、新譜のタイトル曲をルバートのソロで。そのまま流れるようにコール・ポーターの名曲に入り、サビからベースとドラムも加わる。次から次へと出てくる名曲のメロディとバップのスリル、ロマンティックな曲を好むシャフラノフならではのステージが続く。この後はバド・パウエルゆかりの曲をメドレーで。とくに後半の「I'll Keep Loving You」が美しい。6月に聴いたバリーさんのヴァージョンとイメージが重なる。続いてチェンジ・オブ・ペースで、ジョビンの名曲をメドレーで。ボサ・ノヴァのはずが、いつのまにかエンディングではラテン・リズム。なんと「Manteca」になっている。CDとは違うライヴらしい展開。聴き応え十分、ヴォリューム満点の内容で、最初のセットを終了。
後半はシャフラノフの愛奏曲、ヴィーナス移籍第1弾でも取り上げたゴルソンの名曲から。2曲目は客席からのリクエストということで、ルグランの名曲を。ビル・エヴァンスを思わせる展開なのだが、ベースの若林にちょっと緊張感が走る。続いてボサのイントロから、ベース・パターンの「ムーン&サンド」。ここは安定感十分。ここでベースが若林美佐から、遊びに来ていた楠井五月に交代、ブルースと循環ものを。スーパーカーかロールスロイスを軽く運転するようにピアノを弾くシャフラノフに、振り落とされそうなテンポでも必死で食らいついていくフレッシュな楠井。2人の交歓がじつに楽しい。新作でも取り上げたジョニー・マンデルのバラードを経て、いよいよ終盤。ここは定番曲をメドレーで。ただし途中に「But Beautiful」を挿入したのは想定外。アンコールの拍手が鳴り止まず、そのままロリンズのカリプソ。シャフラノフは途中、右手の指を4本見せて、急速調4ビートへ。1時間以上のステージでも、シャフラノフの活力はまったく衰えず、もう1セット軽くできそうな感じだ。だが客席はすでに満腹状態、ということで無事終了。
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1st set:
1.Autumn Leaves
2.I Remember Clifford(Golson)
3.Daahoud(Clifford Brown)
4.Dear Old Stockholm(solo)-So in Love(trio)
5.The Last Time I Saw Paris(solo)-I'll Keep Loving You(solo)
6.Inútil Paisagem(If You Never Come Back to Me)-Triste
7.Easy Walker(Billy Taylor)
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2nd set:
8.Whisper Not(Golson)
9.You Must Believe in Spring(Michel Legrand)
10.Moon and Sand(Alec Wilder)
11.Walkin'-Billie's Bounce
12.Rhythm-A-Ning
13.Close Enough for Love(Mandel)
14.A Beautiful Friendship-But Beautiful(solo)-What a Wonderful World
Encore:
15.St.Thomas(Rollins)
by makotogotoh | 2016-09-22 04:11 | Vladimir Shafranov
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