2007年9月11日、故郷ウィーンで皮膚がんのため75歳で他界したジョー・ザヴィヌル。彼の業績を辿る際、60年代末のマイルス・デイヴィスとの共演や、70年代以降のウェザーリポート時代の活躍ばかりが話題にあがるのはどういうことだろう。
50年代の末、オーストリアから渡米した彼が、一躍注目を集めるようになったのは、キャノンボール・アダレイのグループに起用され、1967年にザヴィヌルの書いたオリジナル「マーシー・マーシー・マーシー」が大ヒットしたからだ。 さて、1963年に録音されたこのアルバムは、キャノンボール・グループのメンバーだった彼が、テナーの巨匠ベン・ウェブスターと共演したアルバム。これが最初で最後の顔合わせ。もちろん主役はウェブスター。ここでのザヴィヌルは、彼のソウルメイツと呼べるほどソウルフルではない。むしろ控えめで趣味のよい伴奏者といった感じ。せっかく名手フィリー・ジョーが参加しているのに、彼のドラム・ソロは皆無。はっきりいってウェブスターのムード・テナーと、ザヴィヌルの名伴奏者ぶりを聴くアルバムである。 メンバーもサド・ジョーンズ、フィリー・ジョー・ジョーンズ、ベースはリチャード・デイヴィスにサム・ジョーンズ(キャノンボール・バンドの仲間)を用意するなど、弱小レーベルにしては、かなり予算多めのセッションである。その代わりといってはなんだが、ライナーノーツを評論家に依頼せず、オリン・キープニューズとビル・エヴァンスという身内が書いたのは予算削減のため。 この頃のザヴィヌルは、もちろん後年のような「たくさんの電気楽器を操るフュージョン親父」ではなく、ウィントン・ケリーとボビー・ティモンズを模範としたモダン・ジャズのピアニストに徹している。1963年9月20日、10月14日録音。なお〈Too Late Now〉〈Come Sunday〉〈Frog Legs〉の別テイクが日の目をみているが、現在入手可能なCDにはその3トラックは収録されていない。 天国で久しぶりにベン・ウェブスターと再会したザヴィヌルは、今頃またこんなピアノを弾いているのだろうか? ◆『Soulmates』のお求めは、こちらまで。
by makotogotoh
| 2007-09-22 11:02
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