『Playboys/Chet Baker-Art Pepper』 の真実

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 J.ドフォルク著、城田修訳の『チェット・ベイカー―その音楽と生涯―』(現代図書)を読む。その60ページから。
《ジミー・ヒース談:『プレイボーイズ』は典型的な麻薬漬けジャズマンのレコードでした。アート・ペッパーは刑務所から出たばかり、チェットはこのセッションの1週間後に逮捕、ピアノのカール・パーキンスはこの2年後に死亡ときてます。録音の最中は私も牢屋の中でした。1955年、私は薬物不法所持で逮捕され、5年近く服役しました。幸運にも私は独房にサックスを持ち込むことを許されました。この間に多くの作品を書きました。彼らは『プレイボーイズ』のアルバムを作るために、刑務所に楽譜を取りに来なければならなかったんです。》
もう一冊。
ジェイムズ・ギャビン著、鈴木玲子訳の『終わりなき闇』(河出書房新社)を読む。158ページ。
《ディック・ボックのもとで一連の新作アルバムのレコーディングに加わっていた1956年秋には、まだベイカーにも十分、理性的な行動をする余裕があった。このころ作られたレコードの1枚『プレイボーイズ』は、ウエスト・コースト出身の才能豊かなサックス奏者、アート・ペッパーと組んで作ったものである。タイロン・パワー似の映画スター級の容貌以外にも、ペッパーにはベイカーと多くの共通点があった。彼もまた、生まれながらにして才能に恵まれ、あまり深く考えることなく、すばらしい演奏をすることができたのである。(中略)彼の演奏には美しく響く部分もあったものの、硬さと冷たさに満ちていた。それは麻薬がますます手放せないものと名っていったベイカーも同様であった。要するに『プレイボーイズ』はふたりのスター・プレイヤーが長ったらしい雑なソロを競い合って吹きまくるだけのアルバムだったのである》

 LPやCDについている英文・和文の解説、音楽雑誌に掲載されたインタビューや記事だけを読んで、音楽を聴いているだけではみえてこないこと・分からないことは、少なからずある。
 そして書き手が真実を知っていても、諸般の事情でライナーノーツや音楽雑誌(そしてブログでも)では、絶対に書けないこともある。
 こうした事実を知った上で、天を見上げ、ため息をついて、深く考えてみることも、ミュージシャンの評伝を読む面白さのひとつなのだ。
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by makotogotoh | 2008-03-28 04:26
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