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What Is There To Say+2/Beverly Kenney

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日本で人気の高いジャズ歌手といえば、このビヴァリー・ケニー(1932~60)ではないかと思う。彼女は、ビリー・ホリデイやエラ・フィッツジェラルドのように「多くの巨人と共演し、多くの後輩に影響を与えた」という大歌手ではない。しかし50年代から60年にかけて残した6枚のアルバムはいまだに支持され続けていること。正規の録音以外の音源があれば、それを聴いてみたい、集めたいと思うファンがそれなりの数存在することで、やはりカリスマ的歌手なのだろう。
このアルバム『What Is There To Say+2』は彼女が残した未発表音源シリーズの第3弾。最初の6曲は1958年の放送音源。そのうち(3)から(6)の4曲は「スティーヴ・アレン・ショウ」からで、ピアノはサー・ローランド・ハナだ。続く4曲は1956年録音のダンス音楽で、ジャズ度は低いのだが、はじめて聴く彼女の声がとても新鮮だ。(11)と(12)が追加の2トラックで、(11)はケニーが詞を書いた曲をダイアン・ハブカが歌った新録音。インタビューの(12)は彼女の音楽観を知る上でも貴重だ。
このディスクが貴重なのは音源だけではない。チャック・スチュワートが撮影した未発表写真を含む長編エッセイ『The Last Days of Beverly Kenney』が泣かせる。これは生前のビヴァリーを知るモート・ローウィンスタイン氏が書き下ろしたノンフィクションで、ステージを離れた彼女が晩年どんな生活を送っていたかを知る知る上で参考になる資料だ。2009年8月19日発売。XQAM-1035
by makotogotoh | 2009-09-09 04:11 | SSJ
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