2007年 12月 04日 ( 1 )

ライナーノーツを書いたことで得る「原稿料」は多額の賄賂か?

ブログ界では超有名な池田信夫 blog「音楽と政治」より。
《日本には、客観的な音楽批評が成立していない。レコード会社に勤務する友人の話では、営業の大事な仕事は音楽評論家の先生を接待し、ライナーノーツを書いてもらって「原稿料」として多額の賄賂を出し、音楽雑誌でほめてもらうことだという。そもそもライナーを書いた人物が堂々とそのCDの批評を書く音楽雑誌なんて、世界のどこにもない。》

 これは明らかにクラシックの世界のことを指している。レコード会社がライナーに支払う原稿料は、他のメディア(新聞や一般雑誌)に執筆した場合の原稿料に比べて、はるかに安い。CDのライナーを書いた人間がそのCDのレビューを書くというのは、まずありえない。レビューを依頼したライターがライナーを書いていた場合には、編集者は他の筆者に回す。それが大原則だ。

 それにしても、これはひどい書き方だと思う。レコード会社に勤務する池田先生の友人に少しでも良心や良識というものがあれば、接待しなくてもきちんとした原稿を書いてくれる志のあるライターに原稿を頼めばよい。そしてライナーノーツを書いた報酬として支払われる「原稿料」が謝礼ではなく、多額の賄賂に相当するのか。私には理解できない。
こういう論調がどんどん支持されていくと、ライターのアマチュア化が進むだけのような気がする。
PS:推測するに、仮にライナー執筆者がレビューをした場合があるとすれば、それは他に適切な筆者がいなかったか、レビュー用資料を締め切りまでに入手できなかった(または間に会わなかった)場合だ。こういう例外を持ち出し、すべて悪と決め付けるのは、わずかな不正を暴いて、存在そのものを不正とする大手マスコミの論調とよく似ている。
[PR]
by makotogotoh | 2007-12-04 12:37