Storyvilleの謎 その2

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 Storvyilleレーベル Rudy Valleeのアルバムが存在するのかという話の続き。手元にある他のアーティストのEP盤に、このリストがあった。他の作品がEP盤(2枚組み)と同じ内容のLP盤(10インチ)が出ているので、このアルバムもEP盤(2枚組)と同じ内容の10インチ盤が在する可能性はきわめて高いと判断する。番号でいえば、たぶんLP315(10インチ盤)がそうである。しかし問題の12インチ盤(STLP919)が、これと同じ内容(にいくつか曲を追加)かどうかの確証はない。もっともこのRudy Vallee、元はサックス奏者で歌手として、バンドリーダーとしてもヒットを出したが後年、俳優として多くの映画に出演している。 動く映像では1929年の「I'm Just a Vagabond Lover」が、彼が放った1930年のヒット「Confessin'」を聴くことができる。ちなみに共演のken Darby and the King's Menは男声グループ。よってこのアルバムがジャズ系の作品である可能性は限りなくゼロである。
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# by makotogotoh | 2007-11-28 21:49

犬も食わない対談形式の共通ライナー

 最近(ここ2年ほどか)ジャズの再発CDで業界関係者2人の対談形式のライナーをよく目にする。制作費をひたすら削減するためなのか、それとも政治的な取引があるのか、制作者にどういう意図であってこういう対談が企画されて、それがわざわざシリーズで発売されるすべてのCDに添付されるのか、私にはさっぱり理解できない。
 はっきりいって、いますぐ止めて欲しい企画のひとつである。
 理由は以下の通りである。

 制作者は、まずCDを買った人(これから聴こうとする人)が求める情報とは何か?をつねに考えて欲しい。その中身がどういう音楽で、演奏者がどういう人たちで、その楽歴のなかで、どういう場所に位置する作品なのか、演奏されている楽曲はどういう曲で、どういう特徴があるのか、といったことだ。こんなことは小学生でもわかる。素朴な疑問、基本中の基本、イロハのイである。

 それがなぜか複数のメーカーの複数のシリーズにおいて、特定の業界人が関わると、なぜかこの対談形式のライナーが次々と生み出される構図がある。少なくとも私はこの2年で、対談形式共通ライナーを3社の再発CDシリーズで発見した(まだ他にもあるかもしれない)。
 たまたま買ったCDが偶然、対談形式だったのなら、まだ許される。しかしそのシリーズで同時発売されるすべてのCDに、同じ対談を添付するとは、消費者をバカにするにもほどがある。はっきりいってそのシリーズの他のCDを買いたくなくなるのだ。
 楽屋落ちみたいな業界裏話や、その場でCDかLPを聴きながらの思いつきの感想なんて、誰も喜ばないと思うぞ。
 ちなみに私はその業界人が悪いとか、対談そのものが悪いといっているのではない。そういうことは他のところでやってください、ということだ。
 CDに添付するなら、1枚ずつ違う内容で、また中身の音楽と関係のある話を詳しくするか、タメになる情報を網羅した文章をお願いしたい。
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# by makotogotoh | 2007-11-27 17:25

Storyville Labelの謎

 12月にミューザックからリリースされるストリーヴィルの5枚(10インチ盤のCD化)について調べている。1988年発行のBarry Kernfeld編『The New Grove Dictionary of Jazz』には、Mark Gardner(イギリスの評論家)が次のように書いている。
■Storyville
1:ニューオリンズの歓楽街(以下略)
2:1951年にジョージ・ウェイン(George Wein)がボストンで設立したレーベル。その前年にウェインがボストンで開店した同名のクラブ名にちなんで命名された。
3:1950年代初頭にデンマークのコペンハーゲンで設立されたレーベル。設立後まもなくしてSONETに買収(以下略)
 もちろん、ここでいうStoryvilleとは、上記(2)である。続きを見よう。
《カタログはクラブでのライヴ録音とスタジオ録音の両方があり、リー・コニッツ、サージ・チャロフ、秋吉敏子、ルビー・ブラフ、ヴィック・ディッケンソン、エリス・ラーキンス、シドニー・ベシェ、ジョニー・ウィンドハースト、ジョー・ニューマン、ズート・シムズ、ジョー・ジョーンズらのアルバムがある。歌手ではリー・ワイリーやジャッキー・ケイン、ロイ・クラールが録音を残している。
 このレーベルは他社の音源も借りて発売、そのなかにはバック・クレイトンがパリで録音した一連のセッションも含まれている。レーベルとしての活動がもっとも活発だったのは1953年から1955年までの間で、この後ウェインはニューポート・ジャズ祭とのかかわりが増えたため、そちらに時間を割くようになった。
 1950年代の終わりにはレーベルとしての活動を停止。カタログの一部はイギリスやフランスでも発売され、日本でも数枚のアルバムが発売された。しかし(以下略)》Mark Gardner氏の最後の一言が笑わせる。But There has been no comprehensive reissue program。
さて本題。このレーベルに関する謎は2つある。
1)300番台(10インチ)はLP301からLP323までの全23枚と思われる。が、このうちの2枚(LP315、LP321)が誰のなんというアルバムなのか、収録曲は何なのか、分からない。ご存知の方がいれば、ぜひご教示を。
2)900番台(12インチ)はSTLP901からSTLP920までの全20枚と思われる。STLP919のみよく分からない。70年代の前半、あるジャズ雑誌に掲載されたレコード会社の広告には、『Rudy Vallee/Rudy Vallee's Drinking Songs』とある。上記10インチ盤のどれかが、これと内容が重複する可能性は否定できない。
 ルディ・ヴァリー(1901~86)はヴァーモント生まれ、1928年に自分のバンド《コネチカット・ヤンキーズ》を結成、ビング・クロスビーが以前に登場した1930年代に人気を博した歌手&バンドリーダーである。なぜこういう歌手の録音がストリーヴィルに残されたのか。
 ヴァリーがどこかのレーベルに録音した音源の再発であったとしても、50年代後半という時代になぜ再発されたのか、謎は深まるばかりなのだ。
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# by makotogotoh | 2007-11-26 12:49