2007年最後の大ニュースです。これ。(山本隆)

a0107397_228419.jpg 12月7日、ディスクユニオンが『Tommy Flanagan/The Complete OVERSEAS +3 ~50th Anniversary Editon~』(DIW-488)を発売する。「コンプリート」に「+3」とはどういうことか。ややこしいので整理しておくと、『OVERSEAS』は、1957年に録音されたTommy Flanaganの初リーダー作。『The Complete OVERSEAS』とは、1984年にDIWが発売したそのCD(LPもあった)で、オリジナル・アルバムの9曲に別テイク3曲を追加されている。今回の『The Complete OVERSEAS +3』は、さらに新たに発見された別テイク3曲をさらに追加したもの。要するにオリジナル・アルバムの9曲に6曲の別テイクを追加した『OVERSEAS(+6)』である。約66分収録。お値段は2500円。

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# by makotogotoh | 2007-10-21 00:11

「感動力」を養う(早川和男)

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早川和男『権力に迎合する学者たち 「反骨的学問」のススメ』(三五館)を読む。 早川さんは1931年生まれ。京都大学工学部卒で、現在は神戸大学名誉教授。「住居は人権である」という理念のもと、「居住福祉」という概念を提唱した「すまい学」の第一人者だ。
 この本は、《政府の各種審議会の委員などに登用され、国民生活やその命運にかかわる政策の策定に携わるなど、世俗的な「権威」付けに利用され、あるいは隠れ蓑にされていることに疑問を持たない学者》が増えていることを危惧した筆者が、《学者が政治や行政や企業の僕(しもべ)となって真理を追求せず語らず、医師が人のいのちを守らず、建築家やプランナーが人びとの暮らしから離れ、ジャーナリストが真実を歪め、政治家、官僚が権益維持のために国民を犠牲にする社会》について、本当にそれでいいのか疑問を投げかける。研究費確保のために、流行を追いかけたり、委託研究ばかり引き受け、研究者として本来あるべき姿を忘れていると、いつに間にか権力構造のなかに組み込まれている。昨今の市場原理主義に翻弄される学者たちが、知の閉塞状態から脱するために、創造的研究をするためには、どうすればよいのかを提案している。

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# by makotogotoh | 2007-10-20 20:20

TRIO' @ Body and Soul

 南青山「Body and Soul」にTrio'(トリオッと読む)を聴きに。Trio'はドラマーの市原康(1950~)をリーダーとする、福田重男(1957~)、森泰人(1952~)のユニットで、すでに3枚のCDを出している。
a0107397_12313713.jpg長年スタジオやサイドメンの仕事に従事してきた市原は、ある時から《これからの人生》をどうするべきか自分に問い続ける。そして《自分の音楽》を演奏するグループを作ることを決意。その協力者として福田と森を選び、2004年1月に自主制作にて初CDを録音した。ベースの森がスウェーデン在住のため、このトリオで演奏するのは年に数回しかない。
a0107397_12315654.jpg 市原がこのトリオで表現する音楽は、料理でいえば、福田と森から、自分のテイストにあった優れた素材を引き出し、リーダーが最後に味をちゃんと調える、というものだ。普段はリーダーに忠実な市原が、このバンドでは、リーダーの存在感をしっかりと示している。バンドの調和を崩すことなく、リーダーらしく自由奔放なドラミングも展開している。
a0107397_12321527.jpg 音楽はいわゆる技巧派にありがちな、単に指が早く動くとか、強烈にスイングするとか、テクニックが凄いといった類のものでない。聴く者に、ある種の情景をイメージさせる、大人のジャズだ。どこか切ない子供の頃の思い出、耕運機の音など。日本人が共有した経験と日本人の感性が、楽曲のいたるところに散りばめられている。彼らの演奏が、どこか懐かしく、それでいて新鮮で、さわやかな印象を与えるのはそのためだ。
a0107397_1232345.jpg 今回は春に続いて今年2度目のツアー。はじめて北海道でも演奏したという。演奏曲目は、過去に発売された3枚のアルバムからのセレクション。セカンドセットの最初に福田重男と交流のある若手シンガーの祐生薫(ゆうき・かおる)が飛び入り3曲を歌った。
1st set:
Invitation(Bronislaw Kaper)
Dindi(Antonio Carlos Jobim)
Mori's Waltz(Yasuhito Mori)
Come Rain Or Come Shine(Harold Arlen)
Childhood's Dream(Shigeo Fukuda)
Just Be Happy My Love(Shigeo Fukuda)
And They Lived Happily Ever After(Hikari Ichihara)

2nd set:
Bitter Sweet(Shigeo Fukuda)with 祐生薫(vo)
The Song Is You(Jerome Kern)with 祐生薫(vo)
What Are You Doing the Rest of Your Life(Michel LeGrand)
S.S.S.(Shadow Seashell Seashore)(Shigeo Fukuda)
Momo(Yasuhito Mori)
Go Ahead Nigel(Shigeo Fukuda)
Encore:
My Ship(Kurt Weil-Ira Gershwin)
Our Love Is Here to Stay(George Gershwin)
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# by makotogotoh | 2007-10-19 04:11 | TRIO'