ビヴァリー・ケニーのシングル盤&未発表音源。

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昨日の続き。以前、復刻できないかと思って、詳しく調べたことがある。マスターテープの所在すら怪しいルーストに未発表音源はないだろうが、デッカにはレア&未発表音源がまだある。
まず1958年5月19日発売のシングル盤。
番号は30614。曲名の前に書いてある6桁の数字は母盤番号。
104419 The Magic Touch(1958年2月19日録音)
104418 Your Love Is My Love(同上)
以下は未発表音源。
103877 Brooklyn Love Song(1957年12月2日録音)※
193876 Sing A Rainbow(同上)※
193868 Time Was/It's A Peaceful in The Country(同上)※
104420 What'll I Do Without You(1958年2月19日録音)
103875 What's It Like In Paris(1957年12月2日録音)※
105786 You Couldn't Be Cuter(1958年10月14日録音)★
※はWEA SPAIN (Fresh Sound Records)から254796で初登場。
★はポルトガル盤(Angel A-1201)で初登場。
写真の
103874 You're My Boy(1957年12月2日録音)は
『Playboys』(DL8743)収録の同曲と同じマスター番号なので、未発表ではないと思われる。

 こうした未発表音源を、世界に先駆け日本で発売するとなると、アルバムそのままの通常復刻より、コストも手間もかかるそうだ。また諸般の事情で、発売の許諾が得られない場合もある。
 手間やコストをかけたらかけただけ、売り上げが2倍、3倍になるなら、日本のレコード会社も喜んで復刻するはずだ。だが全音楽人口に占めるジャズ・ファンの割合、こういう未発表を求めるマニアの割合を考えると、未発表が1曲、2曲入ったからといって売り上げ枚数にはまったく影響しない。こうした曲単位の未発表を求める日本のマニアはほんのわずかなのだ。
 だから世界のマニアをマーケットとするアメリカのMosaicやRhino、ドイツのBear Familyが未発表を含む復刻を得意とするのは、そのためである。
 思えば70年代、過去のジャズ音源にあまり目を向けられていなかった頃、日本のジャズ界は、どの国よりも復刻に力を入れていた。その結果、長年廃盤だったアルバムが復刻されたり、SP盤だけで入手可能だった音源がLP化されたりした。
 こうしたジャズにおける復刻の重要性を訴え、復刻のあるべき姿を決めたのは、当時のジャズ評論家だ。
 SSJからビヴァリー・ケニーのレア音源が出ている今、上記未発表を含むケニーの全音源(RoostとDecca)を集大成し、貴重な写真などをつければ、日本でも支持されると思うのだが。
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# by makotogotoh | 2007-09-17 08:19

探偵ビル・リード、相変わらず「いい仕事」しています。

a0107397_11155193.jpg薄命の白人美人歌手ビヴァリー・ケニーの激レア音源がまたまた登場。ケニーは、世界的な評価や一般的な知名度とは別に、日本のマニア(数千人?)の間で、たぶん有名歌手よりもひそかに愛聴されてきた、謎の多い歌手だ。その筋?では、○流女優のティナ・ルイーズと並ぶ、人気白人美人ジャズ・シンガー(ちょっと長いな)といっても過言ではない。1932年1月29日生まれで、1960年4月13日に自殺。日本ではなぜか「ホテル火災が原因で死亡」と書かれてきた。その詳細は『二人でお茶を+1(原題:Snuggled On Your Shoulder)』(XQAM-1003)のライナーに詳しい。
 さてこのアルバムは、スタン・ケントン楽団で活躍したベーシストのエディ・サフランスキー(1918-74)が、シザック(Sesac)社がラジオ局配布用に制作したレコード(トランスクリプション)のために録音した音源から、ケニーの歌を含むトラックのみ(全10)を抽出したものである。
 これらの録音時期をリードは1952年頃と推定している。だが実際に聴いた筆者の印象では、もう少し後のような気がする。1957年から59年、さらにいえば1958年頃ではないか。
 ミディアム・テンポで軽快にスイング・チューンから、一昔前のキャバレーでよく演奏されていた昭和歌謡を思わせるラテン・ナンバー、ロッカバラード、エキゾチックなリズムものまで、内容はバラエティに富む。放送用音源のため、演奏時間はどれも3分弱。それでも曲のアレンジがモダンなので飽きさせない。ケニーのスタイルはすでに完成していて、いずれも彼女らしさがよく出ている。とても20歳頃の歌とは思えない。とりわけ(3)(4)(6)のバラードがいい。ちょっと舌足らずで、その語り口からみえ隠れする少女のあどげなさ。これぞビヴァリーの魅力である。2007年10月3日発売。XAQM-1022。

PS:未確認情報だが、独BearFamilyがSesac社のトランスクリプション原盤権を獲得したという。いつになるかわからないが、CD化ではなくダウンロード販売になる模様。

PPS:リード探偵の最新情報によれば、1953年録音だそうだ。(2007年9月28日付記)
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# by makotogotoh | 2007-09-16 11:18

ブルーな授業参観

 土曜日。子供の通う地元公立中学の授業参観に行く。1時間目国語。若い男の先生。真面目で愛想もよい。が、あれじゃ生徒になめられるぞ。 板書は丁寧、字も綺麗。いや丁寧すぎる。それを写す生徒の筆はさらに遅い。見ているこっちがいらいらする。君たち、こんなテンポじゃ世の中は渡っていけないよ。
 ライヴでいえば1曲目バラード、その後もずっとバラード、速いテンポの曲は1曲もなく時間が来たのではい終演、といった感じ。終わってみるといやーよく寝た!そんな授業だ。
 先生は自分のペースで丁寧にやっているつもりなのだろう。だが見ている側はアクビが出そうだ。1曲目でまず惹きつけ、疲れてきたらバラードをはさむ、途中でペースを変えるために、テンポやリズムの異なる演奏を入れたり、ベースやドラムをフィーチャーしたりする。そういった工夫が欲しい。ジャズのライヴに足を運んで、もっと勉強しなさい。
 それにしても、なぜ教育の現場で、通信講座や教育テレビのような授業をするだろう。あんなテンポの授業では、生徒はほとんど頭を使わない。悩まない。だから質問すら思い浮かばない。どんどんバカが増えるわけである。

 これ以上、こんな授業を聴いていると、こちらもバカになりそうなので、他の教室に移る。今度は理科の実験室。4人くらいのグループに分かれ、波長の揃ったレーザー光をいろいろな角度から凸レンズや凹レンズにあて、屈折のようすや光路を観察させる。部屋は遮光カーテンで暗くされている。クーラーもない。だから生徒も先生も汗だくだ。それでもみんなが一生懸命、集中しててやっているのが分かる。少々暑くても、先生と生徒が一緒になってひとつのことに取り組む。手を動かし、目を動かし、友達と相談しながら、役割分担を決めて、作業をする。このことの方がはるかに大事だ。

 ○○な保護者からは「汗だくで授業なんて子供がかわいそう。早くクーラーを入れなさい」という意見が出てくるだろう。しかし、エアコンの効いた快適な空間で、心地よい言葉が流れる授業をすれば、教育効果が上がるわけではない。いや、むしろ下がるはずだ。
 最近の講演会では、発表者がパワーポイントを使う機会が多い。レジュメも配られる。このレジュメを手にしただけで安心してしまい、緊張感がなくなる。肝心の話をロクに聞かなくなるから困り者だ。他人の作った資料に頼らず、自分でノートに写すこと、自分で工夫してメモすること、疑問に思ったらその場で質問するか、自分で調べる。こういったことが大事である。
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# by makotogotoh | 2007-09-15 11:17