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演奏家にとっての社会参加とは

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 昨日の続き。多田さんの『寡黙なる巨人』を読んで、真っ先に思い浮かんだのは、オスカー・ピーターソンバリー・ハリスのことだ。脳梗塞に倒れた彼らも、以前のようにピアノが弾けないと分かった時、多田さんと同じ「絶望の淵」に立ったことだろう。そして彼らもリハビリテーションを続け、その後見事、復活したことは広く知られている。
 もちろんピーターソンもハリスも、両手を使った速いフレーズを、以前のように弾けるわけではない。でもこの事実だけで、ジャズ・ミュージシャンとしての生命が終わった、と判断すべきではない。
 今でも彼らは聴衆を前に以前と同じようにステージに立ち、演奏し、その演奏を聴いた聴衆は惜しみない拍手や喝采を送っている。演奏者が聴衆と、音楽の感動を共有している。
聴衆の前で演奏し続ける。これぞ彼らの社会参加だ。
by makotogotoh | 2007-09-24 08:36
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