マイケル・プロンコさんの『僕、トーキョーの味方です。アメリカ人哲学者が日本に魅せられる理由』(メディアファクトリー)を読む。プロンコさんは1960年カンザスシティ生まれ。現在、明治学院大学の准教授でアメリカ文学、文化・映画学を教えている。哲学を学んだ経験をもつが、どちらかといえば文学者だろう。
これは《表の顔》で《裏の顔》は、現在休刊中のバイリンガル雑誌『ジャズ人』の編集長。これまでニューズウィークやジャパンタイムズに寄稿し、ジャズに関する記事も執筆。自分でJazz in Japanというサイトを主宰している。 この本は、2004年から2005年にかけて『ニューズィーク日本版』(阪急コミュニケーションズ)やインターネットのニュースサイト(詳細不明)のために書いた原稿に、書き下ろしの原稿を加えたもの。1987年から東京で生活をしている外人の視点で、東京や日本の文化について考察を加える。その38ページから。 《(前略)インターネット・マガジンでジャズについて書くようになり、それが縁で新聞に書き始め、それが縁でバイリンガル(英語・日本語)のジャズ雑誌『JAZZNIN/ ジャズ人』の編集長になった。昔からジャズが大好きだったから、東京にも元気なジャズがあると知ったときは心からくつろげる気がした。ジャズは即興を大切にし、構造も複雑なので、音楽の中でもとくに演奏がむずしく、書くこともむずかしい。東京の素晴らしいジャズクラブで毎晩のように生演奏があるおかげで、僕は幸せでたまらない。ジャズの夜もジャズについて書くことも、最高の喜びだ。》 期待してアクセスしてみた彼のウェブ・ページは更新が頻繁ではなく、『ジャズ人』のようにバイリンガルでもなかった。だが彼が書いている日本のジャズ・ジャーナリズムに関する考察は、非常に興味深いものがある。誤解されることを承知でいうなら、日本のジャズ業界でみることの難しい、サイードのいう「アマチュア精神をもった知識人」の例といえるかもしれない。
by makotogotoh
| 2007-11-05 12:52
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