人気ブログランキング | 話題のタグを見る

タコ足配当的状況なレコード業界とは?

辰巳哲也(tp)さんのブログに面白い書き込みがありました。1月12日「レコード業界はタコ足配当的状況なのか?」以下《》内が引用です。
《(前略)近年いわゆるクラブジャズとかnu-jazzというカテゴリーで評価されている人達を使ってこんなことをしてしまっている。ここで収録されている演奏をしている人達にはイタリアや北欧のお洒落なジャズという記号が付いていた。私も好きだ。だけど、こんな下世話な企画をしてくれたおかげで少なくとも私の中でのイメージは終わってしまった。考えても見てご覧。DJブースでこのジャケットからレコード引っ張り出す行為を。あり得ないでしょう普通。これをプロデュースされた方はこれ系では大変に高名であることは百も承知しているけれど、こういう作品を出す事で、演奏している連中のイメージは愚か、ご自身のイメージにも大きな傷が付くとはお考えにならなかったのだろうか?》
 お考えにならないから、こうして出でいるのだと私は思います。
 たぶん演奏している連中にとって、コンピレーションに自分の演奏を入れることで、自分の音楽に興味をもつファンが増えるだろう、そうすれば自分たちのCDの売り上げも増えるし、来日公演のチャンスも生まれる、と思っているのではないでしょうか。
************************************************
「人気ブログランキング」参加中です。
一日一回ポチッとワンクリックお願いいたします。
にほんブログ村 音楽ブログ ジャズ・フュージョンへ





《目先の売上枚数を考えたらこのやり方はある程度有効だとは思う。でもそれが音楽そのものについて幸せなやり方かというと大きな疑問があると思う》
 おっしゃる通りです。 DJや選曲家と呼ばれる人たちが次々と出すコンピレーション盤とその氾濫――これはオリジナルの音楽を作ったクリエイターたち(演奏家、製作者)に対するレスペクトを失わせるものだと私は確信します。

《タコ足配当というのは、儲かってもいない会社があたかも儲かっているフリをして自腹で配当を出す行為で、これは、飢えたタコが自分の足を食べるという習性から来ている。私には、これはタコ足配当と同じ行為に思えてならない。ひょっとしたら多少は売れるかもしれない。でも、これでここに収録されたグループはある意味色物的な記号が付いてしまったし、そもそもプロデューサー氏にもそういう色眼鏡が付いてしまったのではないのか。
 私は自分の好きな人達がこういうものを作った事に驚きと落胆を禁じ得ない。もちろん彼らはそれでカネになるなら受けるし、それはプロの仕事としては理解できるのだが》
 「カネになるから受ける」のがプロの仕事なのでしょうか。違うと思います。たとえカネにならなくても、自分でやりたい音楽をやってきたのがジャズという音楽ではないでしょうか。
 やりたいことをやって、それでカネになればベターですが、「やりたいことをやっても全然カネにならないから受けない」というのはジャズ屋ではないです。たとえばスタンダードをやれば売れるからといって、無名の新人に無数の名演が残っているスタンダードを演奏させるのは、その新人の音楽性を無視した、困ったプロデューサーだと私は思います。

 コンピレーションについていえば、マニアックなお客さんを相手に商売をしている某専門店でさえ、毎年コンピレーションを出しています。それが「○枚売れた」といって喜んでいるようです。
 この状況ははっきりいって悲惨です。ノンストップのコンピレーションを聴いて、アーティストへの興味や敬意が生まれるでしょうか?
 コンピレーションは店頭演奏だけにし、その演奏を収録したオリジナル・アルバムをマニアに買ってもらうのが、マニア向け専門店としてあるべき道です。流通経路も限られ、ユーロ高のためオリジナルCDはなかなか売れない。だからコンピを作ってしまうのは、安易な解決策です。先に待っているのは崖っぷちです。
 某レア本で紹介されたようなピアノ・トリオばかりを紹介するのではなく、玉石混交の輸入盤新譜のなかから将来の名盤となる「玉」を探すのがプロのバイヤーだと思います。
************************************************
「人気ブログランキング」参加中です。
一日一回ポチッとワンクリックお願いいたします。
にほんブログ村 音楽ブログ ジャズ・フュージョンへ
by makotogotoh | 2008-01-26 06:35
<< Oscar Peterson ... ALL STAR BENEFI... >>