「Freight Trane」の本当の作者は?

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労作「The John Coltrane Reference」(Routledge)を眺めていると、『Kenny Burrell & John Coltrane』'New Jazz LP8276)の収録の「Freight Train」に関する興味深い記述を見つけた。著者のひとりルイス・ポーターが次のように書いている。
サックス奏者のGreg Wallが言うには、「Freight Train」のテーマは、1949年3月4日に録音されたダイナ・ワシントンの「Baby Get Lost」(作詞・作曲Leonard Feather)と同じということだった。早速ダイナ・ワシントンの『The Best in BLues』(Mercury MG20247)に収録の「Baby Get Lost」を聴いてみた。しかしこれが全く別のメロディで、この記述が間違いであることが判明する。a0107397_19451582.jpgこの本の出版後に、見つかった間違いや最新情報についてはWEBで行われている。
 早速そのサイトにアクセスしてみると、2008年3月30日付けで、ルイス・ポーターが修正していた。
《58-0307. (Page 512). Session Note #2. The Dinah Washington recording cited as being the same as "Freight Trane" is actually entitled "Drummer Man", not "Baby Get Lost". This note should read as follows:
 Saxophonist Greg Wall pointed out an interesting fact to Lewis Porter: At the Dinah Washington
recording session of March 4, 1949, the theme played on “Drummer Man” is the same one used
here on “Freight Trane.” (Coltrane was not on the 1949 session.) Tommy Flanagan told Porter that
he did not write “Freight Trane,” although he is listed as composer. Kenny Burrell wrote to Porter
on May 6, 1996, that this tune was played around Detroit, but “we did not know the composer.”
(L.Porter 3/30/08)》
つまり「Freight Trane」と同じメロディをもつ曲は「Baby Get Lost」ではなく、同じ日に収録された「Drummer Man」(作詞・作曲はたぶんTeddy Stewart)という曲だという。早速その音源を確認してみた。
聴いてみると、ダイナ・ワシントンが歌っている箇所は12小節のブルースで、歌が登場する前の、イントロ部分(管楽器のアンサンブル)でたしかに「Freight Train」と全く同じメロディが使われている。
では「Freight Train」の本当の作者は誰なのか?




私はこの伴奏のオーケストラのリーダーであるTeddy Stewart(ds)ではなく、この録音にも参加したErnie Wilkinsではないか、と推測する。ウィルキンスは、ソロイストとしてはいまいちだが、アレンジャーとしては一流で、カウント・ベイシー楽団など聴き手の印象に残る優れたアレンジを数多く残している。
とりわけ「Everyday I Have the Blues」(Peter Chatman)を名曲にしたのはウィルキンスのアレンジであり、ジェームス・ブラウンの1969年のルイ・ベルソン・オーケストラとの共演盤『Soul on Top』(King)でも編曲を担当したオリヴァー・ネルソンがウィルキンスのアレンジを下敷きとしていたのだった。
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by makotogotoh | 2008-05-03 04:43
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