人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Color Scheme/Kaoru Tubakida

Color Scheme/Kaoru Tubakida  _a0107397_0364972.jpg
6月15日に発売された、名古屋を拠点に活動を続けるアルト・サックス奏者の椿田薫(1964年生まれ)のアルバムを、ようやく、聴く。C.U.G.ジャズ・オーケストラのリード・アルト奏者でもある彼にとって、これは2004年録音の『Make It So』に続くリーダー第2弾。今回はテナー・サックス奏者の浜崎航を迎えたクインテット編成。ピアノは『Hope』の後藤浩二。ベースの島田剛もドラムの黒田和良も、ともにC.U.G.オーケストラのメンバー。プロデュースはトロンボーンの谷口知巳。
リー・コニッツを敬愛するという椿田らしく、どの曲も知的に抑制されたクールなトーンで、メロディアスに歌い上げる。スタイルの原点は、もちろんトリスターノ~コニッツなのだが、彼の音楽からは、40年代~50年代のジャズを回顧するものではなく、21世紀の今を生きている、前進しているのだ、といった意思が伝わってくる。それが素晴らしい。もうひとつ加えるなら、どの曲にも、随所に彼独自のアイディアが散りばめられ、1964年生まれの日本人らしい情緒もある。
1曲目の「Small Talk」から、椿田は浜崎とのスリリングな掛け合いでスタート、リズムが加わって疾走感も増す。2曲目のタイトル曲では軽いボサ。ピアノの後藤浩二が献身的な伴奏で控えめな存在感をアピールしている。Nat Suを意識して作ったという(5)は、トリスターノ的なリフとメロディアスなスイング・パートが交錯するスリリングな名演。6/8のモーダルな楽想の(7)では、ピアノ・ソロでの構成力が光る。(4)(6)のバラードで、ホッとさせられる。
掛け値なしでいい仕上がりの作品。
Newburry Street Music NSM-J-1011 2500円。
************************************************
「ブログ村ランキング」「人気ブログランキング」に参加中です。一日2回ポチッとワンクリックお願いいたします。
by makotogotoh | 2008-08-12 00:37
<< Kyoto Composers... 『面白くてためになる寺井尚之の... >>