トミー・フラナガンの足跡を辿るシリーズの第69回目。この日、寺井さんのためになる解説で聴いたアルバムは以下の通り。 215.『Something Tasty/The Super Jazz Trio with Art Farmer』(Baystate)から「My Heart Skips a Beat」「Here's That Rainy Day」「Stablemates」「It Might As Well Be Spring」の4曲。当時売り出し中のSJTに、人気トランペット奏者を加えた企画。このメンバーによる来日コンサートで「It Might As Well Be Spring」を演奏する時、ファーマーはサンケイ・ホールの天井からハラハラと落ちる埃に何度も悩まされたそうです。 216.『Pinnacles/J.J.Johson』(Milestone)から全6曲。1967年以降、演奏活動から離れ、映画やテレビのための曲作りに専念していたJ.J.ジョンソン。1977年、ナット・アダレイを含むクインテットで久しぶりの来日。その2年後に録音したジャズ界への復帰作。演奏活動から離れていても、毎日8時間の練習を続けた天才らしく、作品の完成度は高い。共演のジョー・ヘンダーソンもロン・カーターも絶好調。ラストの「Mr.Clean」は1970年代初頭、ダンス・パーティーの定番だったそうです。 217.『Straight Life/Art Pepper』(Galaxy)から全5曲。1970年代後半、麻薬禍から奇跡の復活を果たし、日本のファンから熱烈な歓迎を受けたアート・ペッパーとの初顔合わせ。「Surf Ride」「Straight Life」など自作曲の再演が興味深いですが、DiscoveryやJazz Westへの録音を比べると、音色やアイディアの違いに愕然とさせられます。「September Song」と「Make A List」は8ビート。ペッパーはこの録音にどれくらいの用意をしたのでしょう。 講座本(第6巻)も好評発売中。
by makotogotoh
| 2009-07-12 04:11
| ジャズ講座
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