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2018.10.29 Bohuslän Big Band Meets Kimiko Itoh, Yoshiko Kishino and Toku@江東区文化センター

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 日本とスウェーデンが外交関係を樹立して150年という節目に当たる2018年。それを記念して1月からさまざまなイベントが開催されてきた。イエテボリに拠点をおくボーヒュスレーン・ビッグバンド(BBB)も通算4度目の来日。10月13日から29日まで十日町、岡崎市、神戸、米子、東京、札幌、浜松を回り、ホールやホテルでの公演以外に中学生向けのクリニックなども行ってきた。この日がツアー最終日。伊藤君子、木住野佳子、TOKUの3人がゲストで加わる豪華なステージとなった。

 最初のステージはゲストなしでBBBのみの演奏から。MCは日本とスウェーデンの架け橋として長年、草の根運動を続けてきたベースの森泰人。1曲目はHorace Silverの「Room608」。初代ジャズ・メッセンジャーズがグループ正式発足以前に録音した1曲で、サムエル・オルソンとミカエル・カールソンがステージ中央に登場。これはQuincy Jonesのアレンジで演奏したHarry Arnoldのオーケストラを彷彿させる。続くWayne Shorterの「Lady Day」ではtbのクリステル・オロフソンがテーマ。マッティン・スヴァンストゥルム(cl)のソロ。ニクラス・リード(tb)がアレンジした「West 22nd St.Blues」は、酔っ払いの千鳥足を表現したようなブルースで、サミュエル・オルソン(tp)がワーワー・ミュートを使ってブルージーに演奏。スウェーデンはブラジルと並んで名旋律の宝庫といったのはToots Thielemansだが、ダーラナ地方に伝われる民謡のメロディをモチーフにした「Torn-Eriks Visa」はニルス・リンドベリのアレンジ。ロビン・リードクヴィスト(flh)が哀愁あふれるメロディを見事に奏でる。
 ここから最初のゲストが登場。トップバッターはTOKU。BBBもTOKUも2015年にフランク・シナトラ・トリビュートのアルバムを発表しており、シナトラゆかりのナンバーから。Mr.Sandmanではビヨルン・セーデルグレンがソロイストとして活躍。人気の「Fly Me to the Moon」はベースの伴奏のみで歌い始め、途中からBBBが加わりゴージャスに。2001年にBBBはルー・ソロフとアダム・ナスバウムを迎え、ギル・エヴァンスとマイルス・デイヴィスにトリビュートしたステージを行ったが、この後はそのレパートリーから。ここからはTOKUのレパートリーが2曲で最初のセットを終了。
 15分の休憩後、後半のセットは2人目のゲスト、木住野佳子が登場。木住野も2016年にスウェーデンを訪れBBBと共演している。ステージは木住野のオリジナルが中心。Con Passioneはボサ。ソロはtbのクリステル・オロフソン。砂時計(Sand Klocka)でヨアキム・ローランドソンがアルト・ソロ。坂本九の歌で知られる「上を向いて歩こう」はさきほどクラリネットで登場したマッティン・スヴァンストゥルムがアルト・サックスでソロ。デビュー・アルバムの表題曲「Fairly Tale」を、テナーとドラムをフィーチャーした派手なエンディングで盛り上げた。
 最後のゲストは小豆島出身の伊藤君子。2004年には小曽根真率いるNo Name Horsesとの共演作「一度恋をしたら」を発表した伊藤。この日も小曽根アレンジによる「Just Friends」「チュニジアの夜」を熱唱。サイモン&ガーファンクルで知られる「Bridge Over Troubled Water」はリチャード・ティーの編曲。ラストは再び小曽根アレンジの「I Cried For You」で締めくくる。アンコールはゲストが全員集合、Kenny Clarke=Francy BolandのBフラットのブルースで無事終了。
1st set:
Bohuslän Big Band
1.Room 608 (Horace Silver)
2.Lady Day (Wayne Shorter)
3.West 22nd Street Blues (Bobby Hutcherson)
4.Torn-Eriks Visa (Swedish Folk Song arr. Nils Lindberg)

Bohuslän Big Band with Toku
5.Mr.Sandman
6.Fly Me to the Moon
7.My Ship - Miles Ahead
8.Maxine (Donald Fagen)
9.Shine On (Toku)

2nd set:
Bohuslän Big Band with Yoshiko Kishino
10.Con Passione (Yoshiko Kishino)
11.砂時計(Yoshiko Kishino)
12.上を向いて歩こう(arr.Yoshiko Kishino)
13.Fairy Tale(Yoshiko Kishino)

Bohuslän Big Band with Kimiko Itoh
14.Just Friends (arr.Makoto Ozone)
15.A Night in Tunisia (arr Makoto Ozone)
16.Bridge Over Trouble Water (arr.Richard Tee)
17.I Cried for You (arr.Makoto Ozone)

Encore:
Bohuslän Big Band with Kimiko Itoh,Yoshiko Kishino and Toku.
18.New Box (Francy Boland)

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by makotogotoh | 2018-10-30 04:11 | 森泰人

訃報 Sonny Fortune

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コルトレーン派のサックス奏者でエルヴィン・ジョーンズ、マッコイ・タイナーとの共演でも知られるソニー・フォーチュンが2018年10月25日、ニューヨークで死去した。79歳。1939年5月19日フィラデルフィア生まれ。


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by makotogotoh | 2018-10-28 04:11 | 訃報

2018.10.24 Yoshiaki Okayasu Trio @ SoulTrane

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 今月の岡安ライヴは、ドラムレス・トリオ。アルバム『Trustworthy』のメンバーである。吉田桂一を聴くのは久しぶり。断酒で少し痩せたようだ。この日の客席は女子禁制で、スーツ姿のサラリーマンが中心。雰囲気は新橋の居酒屋である。
 最初のセットは、おなじみのスタンダードが中心。1曲目から安定感のある演奏が続き、最後のブルースでは、ギターとピアノのチェイスで大いに盛り上げる。
休憩中は相撲、ペットの話で華が咲き、後半のセットはパーカーのオリジナル3連発でスタート。1曲バラードをはさんで、9月に岡安のプロデュースでデビュー盤を発表した吹上綾(vo)が登場。九州ツアーを終えたばかりだという。2曲歌った後、再びトリオに戻り、珍しいレパートリーのWillow Weep for Meへ。アンコールはおなじみの「A列車で行こう」で無事終了。
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岡安芳明(g) 吉田桂一(p) 佐々木悌二(b)
1st set:
1. I'll Close My Eyes
2. Just Squeeze Me
3. The Things We Did Last Summer
4. Autumn Leaves
5. Doxy
6. My Little Swede Shoes
7. Blues in the Closet

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2nd set
8. Yardbird Suite
9. SteepleChase
10. Ornithology
11. It Could Happen to You
12. But Beautiful with 吹上綾(vo)
13. I Can't Give You Anything But Love with 吹上綾(vo)
14. Willow Weep for Me
15. Funji Mama
16. Nows the Time-theme-
Encore:
17.Take the A Train
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by makotogotoh | 2018-10-25 04:11 | 岡安芳明

2018.10.22 Mike's Jazz Quartet @ Aketa no Mise

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 マイク・レズニコフ率いるマイクス・ジャズ・カルテットの新譜『Nostalgia in Times Square』(MHACD-2653)の発売記念コンサートのため、西荻窪にあるアケタの店へ。
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日本は10月22日だがアメリカは前日の10月21日。この日はDizzy Gillespieの101回目の誕生日。マイクさんがGillespieのTシャツを着用しているのはそのためだ。
 ちょうど大規模ホール・コンサートを中止した人気歌手が話題の夜だったが、この日の4人は厳選された聴衆を前に手抜きのない熱演を披露した。
 最初のセットは、アルバムのタイトル曲からスタート。続いて関根が譜面を持ってきたレイ・ブライアントの名曲Reflection。管入りカルテットでどう料理するのかと思いきや、最初のテーマはアルトがサビのみが入ってピアノとユニゾン。関根のソロは予想通りPhineas Newborn,Jr.張りのもので、最後のコーラスはオクターブでのユニゾンも披露。続く大山のソロはベースのみの伴奏で、2コーラス。3コーラス目からピアノとドラムが入るという構成。モンクのUgly Beautyは3/4のバラード。イントロはピアノのルバート。関根のアプローチはモンクの影響は感じさせないが、モンクへの敬意が感じられる。ミシェル・ルグランのWatch What Happensでは、アルトの大山がパーカー・フレーズを引用して活躍。Cole Porterのスタンダードは、意表をついてベースの弓弾きでVerseから。リズムが加わりアップテンポとなり、最初のセットを終了。休憩中に天才アケタがピアノを調律。
 後半のセットはHorace Silverに捧げたJ.J.Johnsonのナンバー。アルト、ピアノのソロに続いて、ドラムとのバース・チェンジで見せ場を作る。エリントンのI Got It Badがバンドのハイライト。ベースの吉野をフィーチャー、大山もJohnny Hodgesを思わせる1/2コーラスのソロ。続いてこの日、2曲目のコール・ポーターのナンバー。最後はGeorge Russellの名曲。作曲家&ピアニストとして知られるGeorge Russellは、最初はBenny Carterのバンドでドラムを叩いていたが、Max Roachを聴いてドラムを断念。Gillespieとも親交があり、彼のBig Bandにも作編曲を提供した。Ezz-Theticは、3階級制覇したヘビー級ボクサーEzzard Charles(1921-1975)にRussellが捧げたナンバー。強烈にスイングするマイクさんのドラムをバックに、ベテランが一丸になったこのユニット。スリル120%の演奏を満喫して無事終了。
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マイク・レズニコフ(ds) 大山日出男(as) 関根敏行(p) 吉野弘志(b)
1st set:
1.Nostalgia in Times Square (Charles Mingus)
2.Reflection (Ray Bryant)
3.Ugly Beauty (Thelonious Monk)
4.Watch What Happens (Michel LeGrand)
5.What Is This Thing Called Love (Cole Porter)
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2nd set:
6.In Walked Horace (J.J.Johnson)
7.I Got It Bad And That Ain't Good (Duke Ellington)
8.Everything I Love (Cole Porter)
9.Ezz-Thetic (George Russell)
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by makotogotoh | 2018-10-23 04:11 | マイク・レズニコフ

JAZZ講座 新「トミー・フラナガンの足跡を辿る」(第70回)

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大阪のOverSeasでジャズ講座 新「トミー・フラナガンの足跡を辿る」。この日はその70回目。この日寺井さんの解説で聴いた演奏は、以下の通り。
218.Communications:Live at Fat Tuesday's Vol.1(PaddleWheel)より全5曲。
219.Communications:Live at Fat Tuesday's Vol.2(PaddleWheel)より全5曲。
220.The Free Will / Bennie Wallace(Enja)より全6曲。

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by makotogotoh | 2018-10-14 04:11 | ジャズ講座

訃報 Hamiet Bluiett

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ワールド・サキソフォン・カルテットの設立メンバーでバリトン・サックス奏者のハミエット・ブルーエットが、2018年10月4日朝ミズーリ州セントルイスの大学病院にて死去した。78歳。1940年9月16日イリノイ州ブルックリン生まれ。


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by makotogotoh | 2018-10-10 04:11 | 訃報

「One for Amos」のAmosとは誰?

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 ベース奏者サム・ジョーンズ(1924-81)のオリジナルに「One for Amos」というブルースがある。この曲を”サム・ジョーンズがR&Bのピアニスト、エイモス・ミルバーン(1927-80)に捧げた曲”という人がいるが、明らかな間違いだ。本当のAmosは、Amos A.Kaune(2012年2月4日死去 享年80歳)という、長年ニュージャージーのジャズ・シーンを支えてきた支援者である。Amosは60年代からニュージャージー州で複数のジャズクラブを経営、ジャズという音楽を愛し、ジャズ・ミュージシャンに敬意を表し、多くのミュージシャンからも愛された。サム・ジョーンズとこのAmosは仲がよく、彼に捧げてこのブルースを書いたというのが真実だ。ちなみにピアニストのジャック・ライリーも「Minor Your Own Amos」という曲をAmosに捧げている。また、この曲にはOne for AmosとBlues for Amosという2つのタイトルで知られているが、オリジナルはOne for Amosの方だ。


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by makotogotoh | 2018-10-09 04:11

2018.10.7. Toshiaki Yamada Trio @ Sometime

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前日に出演した横浜ジャズプロプナードでは、NHK横浜放送局1Fのスタジオで演奏。立ち見がでるほどの盛況ぶりで、他の会場で演奏していた多くのミュージシャン仲間も駆けつけたという。この日は3連休の中日ということもあって、札幌をはじめ全国から山田ファンが多数集結、会場のサムタイムは超満員に。 
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前半のセットはEast of the Sunでスタート。3曲目のBut Beautifulはバラード。あまり知られていないヴァースから弾き、聴衆を魅了。後半のセットではBud Powellの有名曲やNorman Simmonsのブルース、自作のRomping Girlなども演奏。この日は山田にとって60回目の誕生日。最後は粟谷の仕込んだサプライズでバースデイ・ケーキが登場。カウンターにいた片倉真由子がピアノを弾いて、全員の大合唱で山田の還暦を祝った。

山田敏昭(p) 粟谷巧(b) 伊藤宏樹(ds)
1st set:
1.East of the Sun
2.Take Me in Your Arms
3.But Beautiful
4.Love Letters
5.Cedar's Blues
2nd set:
6.Just in Time
7.Say You're Mine
8.Cleopatra's Dream
9.Hallucinations
10.For Carl
11.Midnight Creeper
12.Cottage for Sale
13.Romping Girl
Encore:
14.They Say It's Wonderful
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by makotogotoh | 2018-10-08 04:11 | 山田敏昭

訃報 北野タダオ

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アロージャズオーケストラの創設者でピアニストの北野タダオが2018年10月3日、肺炎のため神戸市灘区の病院にて死去した。84歳。
アロージャズオーケストラは1958年、大阪のナイトクラブ「クラブ・アロー」の専属バンドとして結成され、クラブ閉店の71年まで活動した。閉店後、独立したビッグバンドとして活動を続ける。北野は2008年にオーケストラを引退するが、コンボ(グレイヴィーエイト)の一員として武庫之荘のライブスポットアロー、大阪梅田の「ミスターケリーズ」でピアノを弾き続けた。アロージャズオーケストラは1964年1月、2回目の来日を果たしたエラ・フィッツジェラルドと共演。ホテルオークラでライヴ音源を残した。アイ・ジョージのヒット曲「硝子のジョニー」の本当の作曲者は、北野タダオだったと伝えられる。


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by makotogotoh | 2018-10-06 04:11 | 訃報

2018.10.2.『楠井五月&ウラジミール・シャフラノフ 』アルバム発売記念ライブ@Body and Soul

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 今回の来日は9月28日の北九州に始まり10月7日の佐世保ジャズ2018まで、鎌倉規匠(ds)の仕切りでトリオで回っている。楠井五月とシャフラノフのデュオは、この日のみ。昨年6月に発売されたデュオCDの発売記念ライヴである。この日のMCは楠井が担当。まずは尊敬するシャフラノフを客席に紹介。バラードでスタート。同じレパートリーでも、トリオとデュオでは内容はまったく異なる。アンサンブル重視のトリオに対し、即興の会話を楽しむデュオといった具合だ。
 70年代末から80年代にかけて、ニューヨークのブラッドレイズで同業者たちとともに巨人のデュオを数多く聴いたシャフラノフ。バラードのEmbraceable Youでは、テーマの後、ベースにソロを回し、続く自らのソロはパーカーのQuasimodoから切り出すというアイディアは、ブラッドレイズでTommy Flanagan-George Mrazのデュオを聴いた経験があるからだ。後半のセットでは、遊びに来ていた鎌倉が3曲で参加。アンコールは再びデュオ。バラードで静かに締めくくった。
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楠井五月(b) Vladimir Shafranov(p)
1st set:
1.Autumn in New York
2.Autumn Leaves
3.Lament
4.Satin Doll
5.Chelsea Bridge(solo)-Star Crossed Lovers
6.Take the A Train
7.One for Amos
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2nd set:
8.Easy to Love-Hallucinations
9.Darn That Dream
10.I Thought About You
11.Holy Land
12.Embraceable You
13.All God's Chillun Got Rhythm with 鎌倉規匠(ds)
14.Once I Loved with 鎌倉規匠(ds)
15.A Beautiful Friendship with 鎌倉規匠(ds)
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Encore:
16.But Beautiful-What a Wonderful World
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by makotogotoh | 2018-10-03 04:11 | Vladimir Shafranov