Dan Morgenstern氏のロング・インタビュー

a0107397_122517100.jpgMarc Myers氏のブログ JazzWaxに、私が尊敬する評論家Dan Morgenstern氏のロング・インタビューがあります。ぜひご一読を。

JW: Did you ever worry that becoming too close with jazz musicians could compromise your objectivity?

DM: You have to be very careful not to let the bonds between you and musicians cloud what you’re saying. If you’re a writer, your responsibility always is to the reader or listener. If you shortchange your audience, you’ll lose your credibility. I tried to avoid such conflicts by simply not writing about bad performances unless I had to. At that point, I’d always frame my remarks by saying that the artist didn’t have a particularly good night rather than completely trashing him.

試訳
JW:ミュージシャンと親しくなりすぎて、評論家としての中立性、客観性が危うくなるのではないかと思ったことはありませんか?
DM:個人的に親しいミュージシャンとの関係が、自分の発言をあいまいなものにすることのないように、細心の注意を払うべきです。評論家の責任はつねに読者や聴衆にむけられています。聴衆に嘘をついたら、信頼を失うのはあなたです。
 こうした葛藤をさけるため、どうしてもそうしなければならない限り、私は悪い演奏について書かないようにしてきました。その時は、わたしはいつも、そのアーティストを完膚なきまでに誹謗中傷するのではなく、その夜は特別によい演奏ではなかったと、自分の意見を書くようにしています。
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# by makotogotoh | 2007-12-15 12:35

「美女と時計ジャケ」でも凡作はある。

a0107397_1105760.jpg11月21日に発売された『Patricia Scot/Once Around the Clock』(ABC Paramount 301)を聴く。《魅惑の女性ヴォーカル・コレクション フィンガー・スナッピン・ミュージック編》のひとつ。
パトリシア・スコットはウィスコシン州ミルウォーキー生まれ。生年不詳だが、1932年前後の生まれらしい。シカゴでCBSラジオの仕事を手にし、テレビ界にも進出。マーキュリーにシングル盤を録音している。シカゴでジョン・フリゴ(b)と知り合い、1957年喜劇俳優のマイク・ニコルズ(1931~)と結婚(のちに離婚)。ニューヨークに引っ越すが、主婦業に専念するため引退。ラストネームの綴りだが、通常のスコットと異なり、tがひとつ少ない。Scotという表記だ。しかしこれもWikipediaではPat Scottとなっている。ボブ・ケニヨンとはケニヨン・ホプキンス(1912~83の変名。映画やテレビの音楽を数多く手がけた作編曲家。
残念ながら録音日やメンバーがよくわからない。ジャケット裏にはMilt Hinton,Al Hall(b)Don Lamond(ds) Phil Woods,Jerome Richardson(saxes) Jimmy Cleveland,Jim Dahl,Frank Rehak(tb) Dick Hixon(bass tb) Joe Venuto(vib,bgo) Bob Kenyon(arr)とあるが、参加しているギタリストとフルート奏者のクレジットはない。聴いたところアルトはフィル・ウッズは100%間違いなし、フルートはジェローム・リチャードソンの可能性が高い。
 あと松永良平さんによる曲解説というのがつまらない。単なる出典紹介のリストで、松永さんがそれぞれのトラックをどのように聴いたのかが、さっぱり分からないのだ。さらに「Out of This World」を「ハロルド・アーレン作詞、ジョニー・マーサー作曲」と書いている。スタンダードに詳しい人なら、こういう初歩的なミスは絶対にしない。
《美女と時計ジャケにハズレ無し!》というのがこの作品の帯コピーだが、「Nothing at All」「You Leave Me Breathless」「Mad about the Boy」「Get on Board」「Out of This World」はまぁよかったものの、演奏時間が短くミュージカル調のアレンジ&歌が半分くらい。さらにこの日本語解説とあって、どちらかといえば個人的には凡作です。
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# by makotogotoh | 2007-12-14 12:39

TONU NAISSOO TRIO @Body and Soul

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南青山『Body and Soul』にトヌー・ナイソー・トリオを聴きに行きました。
ナイソーさんはエストニアのタリン生まれの56歳。70年代から旧ソ連、東欧を始め、欧米諸国の主要なジャズ・フェス、国際的なプロジェクトにも参加。ちなみに今回が初来日。リチャード・ロジャースやコール・ポーターのスタンダードも演奏するけれど、この人は60年代末のキース・ジャレットや、70年代初頭のジャン=フィリップ・ブラン(といってもわかりませんね)を彷彿とさせる演奏が印象的です。
前半のセットは、ベースの音がうるさくバランスがいまいちでしたが、後半のセットは改善され、「Be My Love」や「Don't Say Good Bye」など、じっくりと心に染み入るバラードを聴かせてくれました。ボブ・ディランやジミ・ヘンドリクス、アレサ・フランクリンなど、60年代の終わりから70年代初頭のレパートリーがよく似合うピアニストでした。
トヌー・ナイソー(pf) ターヴォ・レンメル(b) アハトゥ・アプネル(ds)
TONU NAISSOO TRIO
Tonu Naissoo(piano)
Taavo Remmel(bass)
Ahto Abner(drums)

1st set:
1.Isn't It Romantic(Rodgers-Hart)
2.You Stepped Out of a Dream(Rodgers-Hart)
3.My Favorite Things(Rodgers-Hart)
4.Lover Man
5.You Are Too Beautiful
6.Col Alma(Gillespie)
7.Milestones(Miles Davis)

2nd set:
1.I Say a Little Prayer(Burt Bacharach)
2.Lay Lady Day(Bob Dylan)
3.I've Got You Under My Skin(Porter)
4.Angels(Jimi Hendrix)
5.My Heart Belongs to Daddy(Porter)
6.Be My Love
7.With a Song in My Heart(Rodgers-Hart)
8.Don't Say Good Bye
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# by makotogotoh | 2007-12-13 04:11