フランス老舗ジャズ雑誌『jazz hot』も休刊へ。

a0107397_1134151.jpg 先日、アメリカのCadenceが月刊から季刊に移行し「ジャズ雑誌終焉の始まり」と書いたばかりなのに、今度はフランスでも老舗ジャズ雑誌が休刊する。1935年に創刊したJazz Hotだ。なんとも意味深なタイトルがつけられた編集部の署名入り原稿Do you know what it means ?を読むと、これは明らかに休刊宣言である。
 多くの偉大なるミュージシャンを輩出し、ヨーロッパ諸国の中でもジャズ先進国として知られてきたフランス。ジャズを芸術として認め、ジャズ評論の方向性を決定付けたのはシャルル・デロネエ(Charles Delaunay)(1988年に死去)をはじめとする「ホット・クラブ・オブ・フランス」だった。デロネエは評論だけでなく雑誌「jazz hot」の編集に携わり、さらにはヴォーグ・レーベルの監修をつとめるなど、執筆・編集・原盤制作、ジャズに関するあらゆるプロフェッショナルだった。ジャズ評論のあり方を決定付け、よき伝統を継承していたフランスのジャズ雑誌がなくなることは、ミュージシャン、レーベル、評論家など、ジャズに関わってきたすべてのプロフェッショナルにとって、残念な出来事というほかない。

 ジャズ雑誌の休刊とは、ミュージシャンのインタビューや、歴史などに関する読み物、プロの視点による評論や新譜・復刻作品のレヴューが読めなくなる、ということだ。それは結局のところ、ジャズ・ファンの利益にはならないはずである。紙媒体の雑誌からネットという新しいメディアに移っても、プロが活躍できる場が成立しないと、そのジャンルは必ず衰退する。信頼にたるサイトが育たない一方で、無責任な立場で誰もが好き勝手なことが書いている状況は、どうみても健全ではない。
 Jazz Hotは良識ある編集方針で知られた老舗ジャズ雑誌だけに、近い将来の復活を切に期待したいところだ。だが、こうした時代の変化は、予想を越えた圧倒的な速度で、ジャズという音楽を飲み込んでいくのかもしれない。
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# by makotogotoh | 2007-11-09 12:34

Tommy Flanagan Trio Complete Original Recordings

a0107397_023821.jpg11月16日は2001年に他界したトミー・フラナガンの6回目の命日。それにあわせたわけではないだろうが、リーダー作を中心とした初期のトリオ演奏を集大成した2枚組CDが出ている。Lone Hill Jazz LHJ10301。収録曲は以下の通り。
OJC版『OVERSEAS』(Prestige)から全曲。別テイク3曲は本テイクと同じ。
『Tommy Flanagan Trio』(Moodsville 9)から全曲。
『Lonely Town』(United Artists)から全曲。
『The Cats』(New Jazz)からトリオのみの演奏〈How Long Has This Been Going On?〉。
『Dial J.J.5/J.J.Johnson』(Columbia)からトリオのみの演奏〈So Sorry Please〉。
『Body and Soul/Coleman Hawkins』(West Wind)からトリオのみの演奏〈Love for Sale〉。
『The Definitive Jazz Scene』(Impulse)からトリオのみの演奏〈Anything I Do)。
『Paul Chambers Quinet』(Blue Note)からトリオのみの演奏〈Softly As In A Morning Sunrise〉。

これにDave Baileyの『Bash!』から〈Just Friends〉と〈Like Someone In Love〉の2曲、
Jo Jonesの『Vamp 'Till Ready』から〈You're getting to be a habit with me〉を追加してくれるとありがたかったのだが……。
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# by makotogotoh | 2007-11-08 04:32

ダイアン・ハブカの来日とライヴ・レコーディング情報

a0107397_9162263.jpg2007年4月発売の『ザ・ルック・オブ・ラブ』で知られるようになったダイアン・ハブカ。本業は歌手だが実はギターの名手でもある彼女は、お色気歌手の対極に位置する《知性漂うクール・ビューティ》。12月5日にリリースされる新作『ヌアージュ+1』(XQAM-1025)は、2001年にアメリカで発表された『You Inspire Me』に、新録音の1曲〈Waltz for Debby〉を追加した来日記念盤。
 このアルバムは、ダイアンがジャズ・ギターの名手8人との共演を捉えた作品。ギター・ファンにも楽しめる内容だ。全14曲の内訳はジーン・バートンシーニ(2曲)、ポール・ボーレンバック(2曲)、ジョン・ハート(2曲)、ホメロ・ルバンボ(3曲)、バッキー・ピザレリ(3曲)、フランク・ヴィニョーラ(3曲)、ジャック・ウィルキンス(1曲)。そして今回、新たに録音されたハワード・アルデンとの1曲で構成。
 待望の来日公演スケジュールは以下の通り。12月5日にはライヴ・レコーディングが予定されている。
11月30日(金)岩本町TOKYO TUC 03-3866-8393
ダイアン・ハブカ(vo,g) 森田潔(p) 谷口雅彦(b)
12月5日(水) 渋谷JZ BRAT 03-5728-0168
ダイアン・ハブカ(vo,g) 森田潔(p) 谷口雅彦(b) 山下暢彦(ds)
12月6日(木)高田馬場 Cafe Cotton Club 03-3207-3369
ダイアン・ハブカ(vo,g) 伊原康二(p)
12月7日(金) 横浜 Five Stars Records 045-231-0773
ダイアン・ハブカ(vo,g)
12月8日(土) 甲府 Cotton Club 055-233-0008
ダイアン・ハブカ(vo,g) 森田潔(p) 谷口雅彦(b)
12月9日(日) 茅ヶ崎 Husky's Gallery 0467-88-1811
ダイアン・ハブカ(vo,g)

 ライヴ録音の詳細は不明だが、クリスチャン・ジェイコブ(p)の時のように、当日の聴衆には後日ライヴCDには郵送。レパートリーも日本のファンが悦びそうな意外なものを用意しているに違いない。
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# by makotogotoh | 2007-11-07 12:34