![]() ツアー初日のファースト・セット。日本に到着して間もないので、ちょっと様子見のステージかと思ったが、予想は見事に外れた。生粋のバッパーは、やはり全力投球。初日でも手抜きは絶対にしない。1曲目の「Groovin High」から饗宴の開始を高らかに宣言するかのように威勢よく始まる。熱狂的な聴衆の掛け声も入り、ステージ全体が興奮状態で、全員が何かに取りつかれたようにソロを繰り広げる。1曲目が終わると、メンバー同士が「やぁやぁ」「久しぶり」「最近どうだい」「よろしく」といった感じで、バンドスタンド上で握手を交わした。演出かもしれないのだが、今の演奏が音出しということなのか。あれだけの完成度と迫力。まさに本物のミュージシャンシップをみせつけられた思いだ。 今回のように歴史を知る伝説の巨匠がメンバーに加わると、ガレスピーゆかりのおなじみの名曲もテーマのニュアンス、アンサンブル、インタールード、リフ、エンディングなど、オリジナルのバップ・バンドの微細な部分まで正確かつヴィヴィッドに再現されていく。巨匠の演奏を至近距離で体験することは、やはりジャズを学ぶ者にとって最大のレッスンなのだ。 トランペットのグレッグ・ギスバートは、ガレスピーやファディスのようなエンターテイナーではないが、堅実かつ安定感のあるクールなトランペットだ。ハイノートもしっかりしている。ロイ・ハーグローヴとのコンビでデビューしたアントニオ・ハートも、今やThe Aaron Copland school of MusicやQueens Collegeの教授だ。身体を前後に激しく動かし、疾風怒濤のブローを繰り広げるハートとは対照的に、演奏中のジミー・ヒースは、まるで磨き上げられたブロンズ像のように、微動だにせずただ手の指だけが動いている。まさにクール。サックスから出るフレーズは流麗かつ起伏と歌心に富み、バップの生き証人ならではの年輪も感じさせる。ベニー・グリーン(p)を相手に、変幻自在のドラムを繰り広げるアルバート・トゥッティ・ヒースも、中堅や若手にはない歴史の生き証人ならではの貫禄と風格に満ちていた。明日まで。ヒースの自伝『I walked with Giants』を持っている人は、ステージのヒースにも見えるようにアピールすると、本人からサインがもらえるかもしれない。彼らは日本公演の後、韓国と台湾で演奏。ベニー・グリーンのみ、金子健(b)井上智(g)とのKBSトリオのツアーのため日本に戻ってくる。 Greg Gisbert(tp) Jimmy Heath(ts) Antonio Hart(as) Benny Green(p) John Lee(el-b)Albert Tootie Heath(ds) 1st set 1.Groovin' High(Gillespie) 2.Birks Works(Gillespie) 3.Con Alma(Gillespie) 4.Gingerbread Boy(Jimmy Heath) 5.'Round Midnight(Monk-Williams) 6.A Night in Tunisia(Gillespie-Paparelli) Encore 7.Ow!(Gillespie)
by makotogotoh
| 2010-10-13 04:11
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