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『面白くてためになる寺井尚之のJAZZ講座』(第66回)

『面白くてためになる寺井尚之のJAZZ講座』(第66回)  _a0107397_17161838.jpg
大阪のOverSeasで開催中の『面白くてためになる寺井尚之のJAZZ講座』に行ってきました。
トミー・フラナガンの足跡を辿るシリーズの第66回目。会場は先月末のトリビュート・コンサート並みの超満員。4月ということもあり、講座初参加という人も多数。この日、寺井さんのためになる解説で聴いたアルバムは以下の通り。

208.『AFS & All That Global Jazz/Eddie Locke & Friends』(AFS)から全9曲。Coleman Hawkinsの死去から9年、マンハッタンのSt.Peters Churchに集まった往年のリズム・セクションに、Hawkinsゆかりの管楽器奏者が加わった無駄のない名演を。圧巻はジョー・ジョーンズ直系の「Caravan」のドラム・ソロ。「Like Someone in Love」でみせた調律の悪いピアノでのダイナミクスなど。録音状態が悪くても、退屈さや時間の長さを感じさせない演奏でした。ところでエディ・ロックの偉大さを知る、日本に何人いるのでしょう。

210.『Tommy Flanagan Trio Plays the Music of Harold Arlen』(Helen Merrill Presents)から全9曲。フランク・シナトラのオハコである「One for My Baby」をテーマのみで聴かせる技術、複雑な構成の「Out of This World」、くっきりと空高くかかった虹の色を表現した「Over the Rainbow」など、こちらも奥の深い解説。トミー・フラナガンの音楽を知り尽くした寺井さんの解説で、普段なにげなく聴いていたソロやテーマ、構成にもちゃんと意味がこめていた、ということがわかります。

この講座では、アルバムに残されたフラナガンの演奏と、寺井さんの解説を聴くわけですが、寺井さんの使命はそれだけではありません。今はなき師匠の演奏を継承し、発展させていくことが、最高の供養と、寺井さんは語っています。来週4月18日のMainStem Trioでは、トリビュート・コンサートでは取り上げられなかったSpring Songsや、レコードには残されなかった「A Sleeping Bee」など、いくつかの曲の「進化形」が聴けるそうです。講座本(第6巻)も好評発売中。
by makotogotoh | 2009-04-12 04:11 | ジャズ講座
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